浮標(ブイ)


三好十郎作の、戦中下でのある夫婦のお話し。
たぶん今回で3度目の公演で主役はずーっと、田中哲司
シンプルな砂の舞台もたぶんずーっと同じ。
不思議な感覚に捕らわれる。
大劇場なのにまるで小劇場にいるかのよう。
役者のささやく声、わめく声、泣く声、、、
ひとりひとりがいい持ち味を出しているけど、
中でも今回初めての妻役の原田夏希ちゃんが、
いやどーしてもちゃん、のイメージだったから、見事に儚い死への香りを漂わせる大人の女性に変身しててびっくり、というか感心しきりなのでした。
妻の好きな万葉集を詠むうちにラスト、慟哭する夫の田中氏の妻の生への執着は凄まじいものがありました。
確かに4時間という長さを感じさせない舞台でした。。。