鎌倉の熊野めぐり〜補陀落渡海の世界観

今年で3回目の参加になる、
「あの世と妖しの歴史ゼミ」の現地見学ツアー。
あまり人が行かないマニアックなルートが魅力的。
去年に続き、鎌倉第二弾!


前回はここがゴールだったけど、今回はここからスタート。
教室での4回にわたる講座では和歌山の熊野神社にまつわる補陀落渡海の信仰を学んできました。
本来なら和歌山県へ飛びたいとこだけど、近場で鎌倉にそれを見にきましたっ。


極楽寺は去年行ったので、すぐ脇道を入ったとこにある熊野新宮神社へ。
極楽寺の鎮守社。
1269年創建。
このへんは鎌倉の入口だったから防衛機能もあったようね。

境内の四角には獅子?が守り神で見張ってるよう。。。
祭神は、ヤマトタケルスサノオノミコト、ハヤタマオノミコト、タケミナカタノミコトの四神。




新宮社の鳥居。
来た方向、駅の方ね。
極楽寺の境内図には江戸時代まではこの一帯までもが敷地だったことがわかります。

そしてここいらへんは、らい病患者を受け入れた施設がたくさんあったとこ。
一遍が病人であってもだれもが平等と説いたその精神こそ、鎌倉仏教の根底にあったのです。


新宮社から出てまもなくの切通
江ノ電はこんな低いところ走ってるんだね。
駅では他のツアーのグループもいて、
結構人気な極楽寺
こちらは人があまり行かないようなとこばかりだけど。
これから坂道を下って、御霊神社へ向かいます。



途中にある、星月井。
(星の井)

井戸の中にお星さまの影が見えるから、というものらしい。
この街道を通る人たちには水分補給として重宝されたので、先生曰く、いわば現代のコンビニかも。
奈良時代行基がここに来て、井戸から虚空像菩薩が現れたのを見たのを由来にこの上にお堂が建ってます。


星の井からすぐ、
江戸時代から続く伝統の和菓子や、力餅家。
小さい店内はすぐにいっぱい。
イチオシの生餅タイプは個数が10個からの箱売りしかなかったので、ちょっと日持ちする、
ばら売りしてる求肥の方を買いました。
赤福みたいだけど、小ぶりで食べやすかったです。





御霊神社です。
踏切渡ってすぐ。
ちょうど長谷寺の裏辺りかな。 
平安時代後期の創建で、
その頃からいろいろと奇端なことが起こる場所だったようです。
今も神楽など大々的に催されてるようです。




長谷寺に着きました。
さすがに人が多くなってきました。
随分と久しぶりなせいか所々キレイになったような。



花の寺で有名だけど、
今回のテーマでいくと、ここは鎌倉の西方極楽浄土
階段を上がったとこにある見晴台は、島がいくつも見えてまさに補陀落渡海にふさわしい。
ちょうどここのミュージアム(以前はなかった!)で、長谷寺縁起の世界の特別展をやってたので見ました。
絵巻物などたのしい展示と常設では十一面観音菩薩、圧巻の三十三の観音さまの仏像が見れました。
解説があるリーフレットは親切で、近かったら絵巻物の巻の展示替えごとに見に来るのに、って思いました。


だいぶお昼をまわり、江ノ電に乗って鎌倉へ移動。
駅からすぐの、和食やさんでランチ。
この写真のあと、天ぷら、しらす丼がきました。
デザートが付いてなかったのがちょっと残念、、、


午後はバスに乗って、鎌倉最古の寺、杉本寺へ。
736年、行基が十一面観音を安置したのが始まりだそう。


ここの入口の苔むす石段が有名。
あまりにガタガタなので通れず。
脇の階段で上へ。


上から見下ろした風景↓


ちょうどこの裏手に
杉本城がありました。
攻められてこの寺で自害したとされる、斯波家長と一族の供養塔もあります。




良心的にもここはお堂の中の3体の秘仏、十一面観音菩薩を拝むことができます。





なんと立派な茅葺屋根でしょう!
青空と、緑と、静かな静かな、心落ち着くお寺。
不思議とずっといたくなる空間。
鎌倉来たら必須の場所になりそう。







さあここに来て、ようやく熊野との縁が出てきました。
権現堂です。
なぜ杉本寺境内にあるかは不明。右手にひっそりと。
でも鳥居をくぐると立派な権現像が祀られてます。








やぐらが二カ所ありました。
そうお墓だったあとね。
お札がふたつ。
もう字が消えかかってたりして良く読めなかったけど。








そして最後の最後に、
境内の海が見える方向にありました、
補陀落渡海の碑。
やはりここでもその信仰があった証しですね、、、
江の島とか、大島とか、そちらに向かって冥途を目指したのかなあ、、、
と想像尽きません。



余力あれば、も少し先にある、浄明寺内の熊野神社にも参拝するところ、本日はここまで。
杉本寺の景色と雰囲気がとても良かったのでこのまま余韻を残すこととなりました。

帰りは、鎌倉駅前のニュージャーマンで鎌倉カスター買って帰りました。