猿に始まり狐に終わる@武蔵野大学雪頂講堂


能・狂言に見る鳥獣・霊獣4回講座の最終回。
と言っても初めて参加したんだけどね。

知らなかった、こんな近くのキャンパスで無料の公開講座をやっているとは!!
しかも最終回の講師は、野村萬斎!!
こりゃあ、行かなくっちゃって、にわか狂言ファンに変身!
武蔵野大学って、能楽資料センターがあってかなり能や狂言に力を入れてるみたい。

その名の通り、
緑いっぱいのキャンパスはジャングルのよう。


初心者向けでもないんだけど、
満員御礼で迎えた内容はまるで狂言も能のことも知らない私でも、かなり面白かったです。
対談形式で萬斎氏に質問するのは、資料センターの研究員かつ客員教授の羽田氏。
羽田氏は萬斎氏の3歳でデビューした時から観劇してるという、ツワモノな方。
萬斎氏は、けものの面をいろいろ持ってきて見せてくれました。
デビューに使う小猿の面、着けるとあごが連動する狐面、目がくるりとした牛や馬系に使われる賢徳、ひょっとこ顔のカカシやセミなどに使われる空吹の面など。
あと肩衣もいろいろ持ち寄ってきて、中には妹さんがデザインしたカニの絵柄も見せてくれました。
狂言和泉元彌氏のしか見たことなく、萬斎氏のは狂言ではなく新劇ハムレットの一回のみ。
改めてあの細い体に合わない野太い声にプロなんだな、と実感。
萬斎氏の父、万作氏が出演した70年代のネスカフェのCMの映像も特別公開。
無料とは思えない濃い内容。
壇上に現われるやいなや、しっかりと客席を隅から隅まで見据えるように見渡して、なんだか萬斎氏の魔法にかかったように彼の一言一句がしっかりと頭に入ってきたような、そんな存在感のある、貴重な講演会でした。